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電車の中は、「公」でも「私」でもない「個」の時間。

電車の中は、「公」でも「私」でもない「個」の時間。

通勤時間を、無駄なコストではなく資源と捉え直す

 先生は著書の中で、「通勤時間は"コスト"ではなく"資源"である」とおっしゃっていますね。
久恒:「公私の区別」っていうでしょ、僕はこの考え方が間違っていると思うんです。「公」は仕事、「私は」家庭。そうすると、会社では係長、家に帰るとお父さん、それ以外の人生はない。それではいけないと思って30歳になったときに、もうひとつ「個」を自分の人生に入れようと思ったんです。で、自分に残された時間はいつかと考えたら、朝しかなかった。朝の時間は、自分の心掛け次第で使えます。だから、通勤の電車の中が非常に大事だと。これこそがサラリーマンに残された唯一のフロンティア。それを使う事が個人の人生の充実につながる。通勤時間を無駄なコストではなく、資源として捉え直すと未活用の資源がいっぱいあるということですね。そして、それは自分の黄金の時間だから、短くては困るんです。むしろ、通勤時間は長いほうがいいという新しい考え方に至ったわけです。常識とは逆です。

(後略)

Vol.8 spring 2011
エキシューマー
キャリア開発史 久恒啓一の紹介