2000.2.3
自分を輝かせる プレゼンテーションの技術(2)
「伝える」と「達する」 2つの言葉には深い溝がある

 初回はビジネスシーンにおけるプレゼンテーションは、主として文章・図解・口頭という表現手段を用いて情報を伝達することだと述べました。
 この伝達という言葉は奥の深い言葉です。伝達は、「伝える」ということと「達する」ということの両方の言葉から成り立っています。
 伝えるということは自分が情報を発することを意味しています。しかし、それで情報が相手にきちんと達すると考えてしまうことが、さまざまな誤解や混乱のもとになるのです。
 私たちの発した情報のかなりの部分は相手に誤解されるか、さもなくば、わい曲されて伝わっていきます。私たちの社会は、伝えることには熱心ですが情報が相手に達したかどうかについては深い関心を払わない傾向が強いのです。
 プレゼンテーション、つまり情報の伝達を考える場合には、相手に情報が達するにはどう工夫したらいいかが大切なポイントになるのです。相手に合わせて有効な表現手段を選択したり、組み合わせたりしながら、情報を理解してもらう必要があります。
 女性が仕事で輝くためには、相手の組織の風土やレベル、そして関心分野などにあわせて伝達戦略を組み立てることが大切なのです。
 あらゆる組織で当然のように用いられている文章だけに頼っていては、情報の氾濫(はんらん)する時代にあっては高い成果をあげることは難しくなってきました。次回からはプレゼンテーションにおける図解の有効性を紹介していきます。

聖教新聞

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