石巻日日新聞 平成10年7月4日
行政改革県民トーク 簡素で迅速なサービス

  県民サービスと行政改革をテーマに、浅野史郎知事と住民代表者らが意見交換する「行政改革県民トーク」が三日、河北町総合センター・ビッグバンで開催され、参加した住民、地元町長五人から県政への率直な意見や要望が出された。県ではこうした意見を現在展開中の「新しい県政創造運動」に反映させることにしている。
 県は県民の視点に立った使命、成果、効率重視の宮城県政の再構築を基本理念として、昨年四月「新しい県政創造運動」をスタート。運動の大きな柱は「県民サービス改革」を掲げている。これまで行政改革に関する県民、市町村長、職員へのアンケートや県庁職員への部内研修、庁舎外のメンバーによる行政改革推進委員会の設置などを実行、年内中には行政改革推進計画を策定する予定でいる。

浅野知事を招き河北町で開催
代表5人が辛口で 県政に生の声を反映

  県民トークの開催は、新しい県政をつくるにあたって、県民から生の声を反映させることが目的。今年二月の若柳町を皮切りに河北町、白石市、岩出山町の県内四カ所で開かれる。
 河北町のビッグバンでの県民トークには、地域住民のほか市町の職員ら約四百人が出席。はじめに浅野史郎知事が「行政改革は予算、人を減らすことだけではない。県民サービスをどうやって向上させるかも大きなテーマ。ぜひ県民からヒントをいただきたい」とあいさつ。続いてオブザーバーとして参加していた宮城大学の久恒啓一教授が「行政の仕事は遅い。”行政速度”を速めていく必要がある」と話題提供。その後、浅野知事をコーディネーターに、住民と地元町長の代表五人がパネラーとなって県民サービスと行政改革をテーマに意見交換した。
 パネラーからは「知事だけでなく県庁の課長、係長も県内を回り、県民の生の声を聞いてほしい」「県のイベント、行事は県の都合だけでなく、参加する県民の立場で開催時期、時間を考えてほしい」「行政への申請や申し込みの締め切りは早いが、その結果が出るのは数ヶ月かかる。もっと手続きを簡単に、迅速な処理をお願いしたい」といった要望や意見が出された。
 浅野知事は「民間の場合はサービスが悪ければ客は逃げていくが、県の場合はサービスが悪くても客(県民)は逃げていかない。県民サービスということをしっかりとした形で表していかなければならない」と話していた。パネラーとして参加した住民・地元町長代表者は以下の通り。(敬称略)
▽石巻市・阿部紀代子(石巻青年会議所副理事長)▽志津川町・遠藤勝彦(前漁業士会)▽河北町長・太田実▽気仙沼市・昆野龍紀(気仙沼市行政改革推進委員)▽桃生町・高橋千代恵(県農業会議委員)

 

石巻日日新聞社提供

BACK