ビジネス図解マガジン 第3号
2001/2/26

発行:久恒啓一 
http://210.153.14.142/

1 図解コミュニケーションの理論

<ビジネス・コミュニケーションの達人をめざす> 第1回

1.自由自在な視点を身につけよう。

 図解を描ける力を身につけることによって、自分の身の回りの事件やあらゆる事象について、様々な角度からものを見る視点が身についてきます。

 問題や課題を下から見上げたり斜めから眺めたりというように、視点を上下左右にダイナミックに動かすことができるようになってきますので、現在の自分の立場にこだわらずものを考えることができるようになってくるのです。

 このことは企業の中での自分というものを高い位置に導くのに重要なことです。平社員なら課長の視点、係長なら部長の視点、課長になったら役員の視点で仕事に取り組むことによって、優れた業績が生まれてきます。

 年齢に関係なく成熟した判断を出せる人や、常に大型の構想を胸に抱いている人を見ると、自由な視点を感じることがあります。そういった能力の高い人たちは様々なテーマと格闘する中で、自由自在の視点を獲得した人たちなのです。

 図解的視点は心の中で自分の視点を自由自在に動かすことができ、常に高い視点で自分の仕事を吟味することも可能になってくるのです。

2.ビジネスの本質はコミュニケーション

 現代のビジネス社会は毎朝の同僚や部下との打ち合わせに始まり、得意先との折衝、会議の準備、上司への報告、他部門との調整、電話でのやりとりなど、多忙な毎日となります。

 つまり仕事ができる人間とは、ビジネス・コミュニケーション能力が高い人だということになります。言い換えれば、ビジネス社会での成功は、高いビジネス・コミュニケーション能力によってもたらされるといって過言ではありません。

 仕事の内訳を分析したデータを詳しく見ると、ビジネス・コミュニケーションの約40%は人の話を聞いたり、人の書いた文書を読んだりする、「理解するという行為」だということがわかります。

 そして30%がものを考えるなど、自分自身と対話する、つまり「企画するという行為」が占めるわけです。

 さらに残りの30%は、自分の意志を他人に伝えるための「伝達する行為」ということです。

 このように、ビジネス・コミュニケーションの内訳は、「理解」が40%、「企画」が30%、「伝達」が30%という割合になります。

 この3つのコミュニケーション手段を正しく把握し、それぞれの場面にふさわしいコミュニケーション能力を発揮することが、ビジネスを上手に進めるうえでのカギといえます。

 図解をキーワードにこの3つのビジネス・コミュニケーションの能力を養っていただきたいと思います。

  次に「理解」、「企画」、「伝達」各プロセスの特徴を紹介します。

(1)理解する(ビジネス・アンダースタンディング)

 ビジネス・コミュニケーションの3つのプロセスのうち、4割を占めるもっとも基本的なものが、「理解するという行為」です。

 ビジネスにおいては仕事に関する情報を「正確に理解する」ことが常に要求されます。

 顧客はもちろんのこと、部下や上司の言うことを正しく理解し、顧客からFAXや郵便で送られてくる文書や、社内をまわる指示書、報告書を正しく理解することは、簡単に思えて実は大変に難しいことです。

 それだけに情報を正しく理解するための工夫が、ビジネスマンにとって不可欠なテーマというわけです。

(2)企画する(ビジネス・プランニング)

 ビジネス・コミュニケーションのもっとも創造的なプロセスが「企画(ビジネス・プランニング)」です。

 「企画」という言葉には、「企てる」「計画を立てる」「もくろむ」という意味があります。ビジネスに即していえば、入手した情報を加工し、再構築して新しい価値を生み出す創造的な行為が「企画」です。

 「企画」には高いコミュニケーション能力が必要なため、本来は楽しくやりがいのあるはずの「企画」を、苦手とする人も多いようです。しかしこれも、「企画をするための」工夫を身につけることでクリアできます。

(3)伝達する(ビジネス・プレゼンテーション)

 ビジネス・コミュニケーションのもっとも躍動的なプロセスが「伝達」です。

 「伝達」には「伝え」「届ける」という意味がありますが、仕事の場面では、ただ単に相手に情報を正しく伝えるにとどまらず、その情報を納得して受け入れてもらうことが必要になってきます。つまりビジネスの上では、情報は受け入れてもらってはじめて価値がでるのです。

 そのためには、相手の納得を得られるような情報の伝え方をしなければなりません。様々なビジネス・シーンで、「伝達」のためのテクニックの一つである、プレゼンテーションの技術が重要視されるのはそのためです。

 


2 大胆図解シリーズ

<経済白書平成11年度版・「高まる雇用調整圧力」>

 一人あたりの賃金は、戦後初めて前年比で減少するなど、賃金は下落している。

 失業率は、過去最悪の水準になるなど雇用情勢は悪化している。

 企業の人件費負担が上昇しており、雇用情勢の悪化に伴って、企業の雇用過剰感が急速に上昇している。

 98年は、第一次オイルショックに匹敵する急速な雇用調整が行われた。希望退職者の募集や解雇という厳しい雇用調整を行った事務所が増えている。

 年齢間のミスマッチの拡大、産業間の労働移動の困難さなど、構造的、摩擦的失業が拡大している。

 雇用情勢は以上のように進行しており、調整圧力は高まっている。


「ビジネス図解マガジン」(毎週月曜日発行)
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