2■企画は自分自身の中にある
企画を考える上で重要なポイントは、企画力は常に自らの内面にあると言うことです。多くの事例や人間観察から判ることは、本人の経験や能力、人格を越えるような企画は、なかなか出てくるものではないということです。
つまり、自分という他人(過去の自分は、すでに現在の自分にとっては他人)との対話技術の巧拙が、結果的に企画力のレベルを決定づけてしまうのです。
このように、自分の持つ知的資源を上手に活性化させて問題解決に結びつけていくプロセスが、企画なのです。
企画は、私たちの頭の中にある膨大な情報に新しいテーマを与えることによって、独自の展開を生み出す作業なのです。
私たちは、疑問や解決したい問題があると人に相談したり、書店や図書館で資料を集めるなど、外部からの刺激によって、自らの知識や経験や知恵の蓄積から有効な情報を引き出す作業をおこなっています。つまり、優れた企画者になるためには、自分自身とのコミュニケーションの技術を磨くことが、大きなポイントになるのです。
そのような意味で、自分の目で見て耳で聞くなど、体験して考える事柄は量的に蓄積されることによって、企画力を構成する重要な要素になってきます。
このような体験の広がりと深みが、企画力の育成に大きな影響を与えるのです。 |