〜宮城県への貢献〜

2001.5
仙台うわさの現場検証 大学の就職率

大学で就職率の違いはあるか
初戦の宮城大学は何と96%。苦戦する宮城学院女子大。

 今や、大学を出てもそう簡単に就職は出来ない。求人数は増えたものの企業の要求水準が高く、大学の就職率の格差は広がる一方だ。「大学の力を見るのは就職率」ともいわれる時代。果たして大学によって就職率の違いがあるのか、県内5つの大学を見ると…。

 取材当時(2月中旬)の各大学の進路状況をまとめたのが51Pの表。内定率だけで比較すると、今年初めての卒業生を送り出す宮城大学が最も高い数値を示している。
 「男子は全員内定が決まっており、建築など採用状況の厳しい業界を狙う女性に、若干未定者を残すのみ」(久恒啓一キャリア開発室長)。

―中略―

実社会を意識した教育と話題をいつも提供すること
 「就職」を「キャリア開発」の一環としてとらえる宮城大学では、1年生のうちから自己表現をテーマにした講義を導入している。たとえば久恒先生が受け持つ「知的生産の技術」は、自分史を執筆する授業。作業過程で人生のテーマを発見し、就職活動で問われる自己のアイデンティティも確立されていくという。また、毎回プレゼンテーションを行い、相手からの評価をもらう授業「プレゼンテーションの技術」では自己PRが磨かれ、面接時の大きな武器になる。
 ゼミにおいても、教授が関わっているプロジェクトに学生を参加させ問題解決能力を育むなど、「実学」を尊重にした教育が行われている。教員の半分以上が実業界出身で、生の体験談を聞けるのも特徴だ。
 「まだ知名度が低く、就職のサポート体制も万全ではない」という宮城大学が高い内定率を達成できたのは、この辺に理由があるのかもしれない。ある学生は、「常に企業化を視野にいれたり、実業レベルを意識した講義内容になっており、どちらかというとアメリカ型で、卒業するから就職するということではなくて、自分で会社をつくって社会に貢献するということを早くから教えられる」という。また「いつも話題を提供するようなマスコミ対策もうまい」と分析する関係者もいる。

―以下省略―

Senkey1 2001年5月号