1999 october
2001年みやぎバリアフリー国体へようこそ
21世紀最初の国体は、宮城県で開催される。 宮城県はこの国体を「バリアフリー国体」と位置づけて、すでに県を挙げて準備に取り組んでいる。 間と民、障害を持つ人と持たない人が共に作り上げる新世紀の国体に WE'LL読者をひと足先に招待しよう。
新世紀の国体のモデルをみやぎが提案する
 これまでに開催された国体はたとえば黒潮国体、太陽国体といったように、地域の名前や恵みを冠した“おらが国”国体が大勢を占めてきました。それに対して21世紀最初のみやぎ国体は、地方の特色ではなく「バリアフリー」という世界共通の理念を掲げています。この点でみやぎ国体は、新世紀の国体ならではの従来にない画期的な特徴をもつものといえると思います。さらにこの国体とあわせて、これまで別々に開催されていた身体障害者と知的障害者のスポーツ大会を統合した「第一回全国障害者スポーツ大会」も開催され、2001年の宮城県は、バリアフリーの理念の発信基地として全国から注目される存在になると思います。
 国体は、ほぼ半世紀をかけて全国を一巡するスポーツイベントです。ですから21世紀最初の国体で宮城県が打ち出した「バリアフリー」の理念をその後の開催地が引き継いでくれれば、21世紀中には、日本全体のバリアフリー化が進むことになります。障害を持つ人はもちろん、高齢者、外国人などにも住みやすい国に日本がなれるのではないかと私は期待しています。そのためにも、みやぎ「バリアフリー国体」の役割は大きく、宮城県では官民、産学、障害を持つ人、持たない人が一丸となってこの大会の成功に向けてすでに動き始めています。
2002年ワールドカップでは世界が注目する
 みやぎ「バリアフリー国体」のメーン会場となるグランディ21は、2002年に開催されるサッカー・ワールドカップの試合会場にもなります。ということは国体で培ったバリアフリーなスポーツ大会運営のノウハウを活かし、「バリアフリー」のメッセージを世界に向けて発信する千載一遇のチャンスに恵まれるということです。私は国体や全国障害者スポーツ大会で喚起された「バリアフリー」に対する県民意識をワールドカップなどその後の様々な展開に受け継ぎ、息の長い地域作りや国づくりに結びつけていくことが肝心だと考えています。
 たとえば、先進的なさまざまなバリアフリー製品を集めた「バリアフリー産業見本市」の開催なども考えられるでしょう。そして「バリアフリー」というコンセプトを中心にした新事業創出の気運が東北から全国に広がれば、国体は、新産業づくりの火付け役になったことにもなります。このように「バリアフリー」という理念は一地域や福祉の領域だけにとどまらない、さまざまな展開の可能性を秘めています。その理念を具体的なモデルとして提案するみやぎ「バリアフリー国体」はそういった意味でも、従来の国体にない大きな意義をもつものだと思います。みなさんもこの新世紀の大きな潮流を作るイベントに参加し、大会を盛り上げてください。
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