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[4891] 「公園巡りの楽しみ」--「My town 泉」への連載エッセイ第2弾 コメントをつける 削除
2006/12/6 (水) 20:52:15 久恒啓一 〔HomePage
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泉パークタウンに住んで最初に感じたことは、「空が広いなあ」ということだった。東京にいた時は、自然の変化を楽しむ余裕などなかった気がする。東京ではいつも前向きに歩いていた(?)ため、上に空があることに気がつかなかったのだ。

さて、この街に住む楽しみの一つは、公園を巡ることだ。山を拓いたゆるやかな起伏のある土地だから、どこを歩いても特色のある公園にでくわす。
高森東公園は、夫婦の散歩という習慣のついた公園だ。水のある景色は心を和ませる。池のそばの山道を歩くときの木漏れ陽に照らされる時の幸せ感は忘れがたい。
寺岡のとんがりタワーのある寺岡山。ぎっくり腰になったとき、早朝に近所の寺岡山をせっせと歩いていたことがある。かなりの傾斜のある坂道を登っていくと何の変哲もない頂上に着く。このタワーは光をともすだけで景色の価値が一変することを教えてくれる。そこからゆるやかに下っていくと野球場に出る。早朝野球を楽しんでいる社会人グループに出会うこともあり懐かしい気持ちになる。この公園は地図には高森寺岡公園という妙な名前で出ていた。

紫山公園。春のおぼろな柔らかい緑の風景、夏の木陰の散歩道、ひんやりした山陰、秋の山道の紅葉の色付きの変化、冬の一面の雪景色の絶景、、。
時々刻々と変化してやまない自然を感じる公園だ。旬という言葉は、上旬、下旬というように10日を指すというが、四季どころではなく10日ごとに季節が変わることを実感する。筑波山の春の日の出から立山連峰の冬の日没まで、風景が四季の変化とともに一日の流れの中に表現されている横山大観の絵巻物を見ているような気になる。
公園で家族連れがキャッチボールをしたり、フリスビーに興じたり、犬と戯れて悲鳴を上げる風景を見ると心が和んでくる。幸せな人たちがここで遊んでいるのだなあとこちらまで豊かな気持ちになる。画家の描く公園の風景そのままだが、違うのは絵の中で多くの子供達が走り回っていることだ。この光景はどんな絵よりも素晴らしい。

こうやって書きながら、普段何気なく使っているパークタウンという言葉は、「公園の街」という意味であることを改めて発見してしまって、われながらおかしくなってしまった。(久恒啓一)
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「My town 泉」の連載エッセイより。
自宅に帰ったら、「My town 泉」が届いていた。

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